五臓六腑を燃やして

とあるSnow Man深澤辰哉担の個人的思考の記録

わかるけどわかりたくない話

※注意※              

今回、「歌割りの多寡」「売り出し順」などのワードが出てきます。それにまつわる個人的な苦悩・葛藤と、それとどう折り合いをつけてファンをやっているかという話なので、ネガティブなことを目に入れたくないという方は読まないでください。

また、販売戦略や歌割りの理由などは、あくまでも私個人の推察で、確かなものでも正しいものでもありません。あくまでも個人的思考の記録としてお読みください。)

 

 

 

 

前回のあらすじ:

Snow Manが6人から9人になった時、最初は6人が否定されたような気がして受け入れられなかったものの、5ヶ月くらいかかって「新メンバー3人はオリジナルメンバー6人にとって必要な人たちであり、9人はもう間違いなく仲間なんだ」と理解できて受け入れられた。

全文はこちら⇒増員時のこと - 五臓六腑を燃やして

 

 

 

 

私が9人のSnow Manを心から応援できるようになって2ヶ月後、デビューが発表された。

うれしかった。

おめでとう、よかったね、がんばったね、ありがとう、がんばってね……そんな言葉しか浮かばなかった。

うれしいとか楽しいとか好きとか、そういう感情は本当に単純だ。

思い返してもこれしか書くことがない。

 

が、ひとしきり喜んだ後、不安が頭をもたげた。

なにせレーベルがavexである。

EDM大得意、販売物は特典もりもり、供給は求めるものではなく溺れるもの、一部キスマイ担に「エイベ様」と呼ばれるavexである。

ダンスが売りで、踊れる曲を多めに持ってほしい、マルチアングルを標準装備してほしい、そんなSnow Manにはぴったりのレーベルだ。

それはいい。

しかしavexである。

V6とKis-My-Ft2avexである。

カミセン・トニセン、前3人と後4人、つまりは格差売りのavexである。

V6はファンとはいかないまでもデビューから3枚目のフルアルバムまでリアルタイムで買っていて坂本くんが好きだった私、キスマイは現役バリバリのファンで横尾担の私が、不安にならないわけがなかった。

そもそも増員に反発した一因が、「6人に足りない要素を担う人材として3人が入ったなら、デビュー後はこの3人が特に売り出されるのでは?」という不安だったので、それが的中するのではと怖くなってきた。

Jr.時代の終わりとデビューを告げる曲である『終わらないMemories』の歌割りが、1番が渡辺・岩本・向井・目黒・ラウール、2番が宮舘・深澤・阿部・佐久間だったことも不安を煽った。

これは、デビュー後もこういう歌割りでいくのではないか、2番の4人が脚光を浴びるまでには数年かかるのではないか、と。

 

不安を抱えた状態で、11月末、D.D.が初披露された。

かっこいい!!すごい!!最高のデビュー曲!!と思ったし、ダンスにもアクロバットにも魅了された。

それは本心だったし、やっぱりSnow Man大好きだと思った。

でも。

その一方で、不安が的中してしまったと思った。

すごくショックだった。

深澤くんと阿部くんだけ、完全なソロパートがなかった。

向こう数年、この二人の歌割りは増えないかもしれないと思った。

 

(大袈裟だと思う人は以下の動画を見てほしい。デビュー曲であれれ?となって2ndから凄まじいことになる。歌割りカメラ割り立ち位置そして衣装にまであからさまな格差があるキスマイ、控えめに言って戦慄する。この格差は、デビューから4年くらい経ってやっとなくなる兆しが見える。同じことがSnow Manにも、と思ったら絶望した。)

 

youtu.b

 

Snow Manが“アイドル”ではなくて“音楽アーティスト”だったら、話は別だ。

これだけ声質も歌い方も違って音痴じゃないのが9人揃ってるんだから、曲ごとに特性を生かした歌割りにしたほうが音楽的には確実におもしろいし、そうしないほうが不自然だ。

だからD.D.の歌割りが少なくても、「深澤くんは声が甘いからバラードとかで前に出るのかな~、楽しみ~♪」思えただろう。

でも彼らは“アイドル”だから、“音楽的なおもしろさ”なんていうのは二の次で、“音楽”ではなく“人間”をどうやって売っていくかという長期的な戦略が優先される。

CDが売れればいいってものじゃない。

彼らのファンでもなんでもない人に好感を抱いてもらって、個人の顔と名前を覚えてもらわなきゃいけない。

そのためには9人いっぺんにプッシュするなんていうのは下策でしかなく、3人ずつとか、がんばっても5・4くらいで分けて順番にプッシュしなきゃ個人まで認識して覚えてもらえない。

これはグループ自体を、いずれはメンバー全員を世に知らしめるための販売戦略だ。

順番が後回しになったメンバーが蔑ろにされているわけではない。

デビューから数年間あからさまだったキスマイの格差だって、一般認知度が上がるにつれて解消された。

今のキスマイは一人一人の声質、歌い方、歌唱力、得手不得手向き不向きに合わせた歌割りがされていて、マイクを持つ人間が7人いる利点が最大限生かされている。

Snow Manだって数年すればそうなるのだから、信じて待っていればいい。

 

それはわかる。めちゃくちゃわかる。

だが、理屈でわかるのと心で納得するのは別なのだ。

予想していたことにも関わらず、私はものすごくショックを受けた。

そして、怖気づいた。

 

Snow Manがキスマイと同様の商法でいくと仮定して。

デビュー曲でこれなら、今後さらに歌割りは偏るだろう。

私がキスマイのファンになったのはちょうど格差がなくなってきた頃で、格差があったことを知ってはいてもリアルタイムで体感してはいなかったので、いざ自分が当事者になった時、ああこんなにきついんだと愕然とした(キスマイをデビュー前から応援しているファンの方のことは心底尊敬している)。

私は、うすうす予想していてさえこれだけショックを受けている私は、今後数年、これに耐えられるのか?

リリースのたびにこのレベルのショックを受けていたら心が折れる

慣れるなり流すなりして、歌割りに関係なく深澤くんを、Snow Manを応援し続けることができるのか?

正直、自信がなかった。

こんなに心が抉られるのなら、もう離れたしまったほうがいいのではないかと思った。

 

しかし、さすがにデビューと同時に離れるというのは躊躇われたし、やっぱり大好きだからファンでいたかった。

デビューそのものも、それに伴って増えた露出も、彼らの今までが報われたということも、すべてが本当にうれしくて、追うのが楽しかったのもある。

不安は大きいけど、とにかく楽しんで応援できるうちはそうしようと思った。

 

また、自分なりに理屈をこねておけばショックが和らぐかもしれないと思って(実際、歌割りが偏るだろうという予想をせずにD.D.を聞いていたらもっとショックだったと思う)、販売戦略を勝手に推測してみたりした。

 

9人それぞれ特性があるけど、早めに売りたいのは誰だろう。

やっぱり“若さ”は強力な武器だから、使えるうちに使わないと損だよな。そうすると年下3人が優先だな。

あと岩本くんも、SASUKEの成功率は若いうちのほうが高いから早めに売りたいよね。リーダー・エースって看板も背負ってるし。

渡辺くんもメインボーカルだからあんまり後回しにはしたくないけど、美容男子っていうのは30代になってからのほうが売りやすいよな、「その見た目で30代なの!?」っていうのが欲しいし。微妙なラインだな。

急ぐ理由があるのはこの5人だよね。だからやっぱり終わメモの歌割りなんだよな。

佐久間くんはアニメだから、いつになるかわかんないけど、アニメのタイアップついたらとかかな。

宮舘くんは時代劇希望だけど、今民放で時代劇ないから、NHKだよね。狭き門だなぁ。それに宮舘くんのキャラ的に、足軽とか若侍っていうよりはもうちょい上の貫禄ある役がいいよね。そうするとせめて30代になってからかな。

阿部くんはもちろんクイズだけど、すでに自力で地位を築いてるから、もうプッシュする必要がないよな。今までどおり自力でがんばってもらって、グループが軌道に乗ったら歌割りを増やす感じかな。

深澤くんも絶対後回しだよね。そりゃそうだよね。すでにMCっていう地位があるもの。安泰だもの。急いでプッシュする理由が欠片もない。しばらくほっといても大丈夫だから後回し。うん、信頼の証。

 

そうやって予防線を張って次のショックに備えながら目の前の供給を追っているうちに時は過ぎ、2020年3月。

KISSIN’ MY LIPSで、私はものすごいショックを受けた。

歌割りそれ自体に、ではなかった。

歌割りの少なさは、予防線のおかげで、「あー、やっぱりな」と思っただけで済んだ。

「やっぱりなー、あべふかはしばらくソロパート期待できないよなー、知ってた、うん。数年我慢だな」と思って、それから。

 

「6人でデビューしていたらこんな気持ちにならなくて済んだんじゃないか」と思ってしまった。

 

そう考えてしまう自分がいることが、めちゃくちゃショックだった。

増員を受け入れられたと思っていたのに、今さらこんなことを考えるなんてと、自分に失望した。

深澤くんは素晴らしい人なのに、Snow Manは素晴らしいグループなのに、甚だしく見当違いで醜悪な「たられば」が自分の中に存在することが怖くてたまらなくて、申し訳なさと自己嫌悪でいっぱいになった。

 

「好きな人の歌割りが少なくて悲しい」「もっとソロで歌うパートを聞きたい」という気持ちになるのはいい。

そう思ったり言ったりすることは別におかしいことでも悪いことでもないはずだ。

でもそこに、現実をねじ曲げる呪いのような思考が入ってはならない。

自分の気に入る形にならなかったからってそれはない。

 

べこべこに凹んで、今度こそ離れたほうがいいんじゃないかと思った。

 

歌割りが少ないことはわかる。わかりたくないけど。「やっぱりね」で済んだ。

そこで終わっとかなきゃいけないのに、余計なことを考えたのはなんでだ?

Snow Manが大好きなことは間違いないし、ずっと追いかけていきたいけど、またこんなことを考えてしまうのは嫌だ。

9人に失礼だし、自分で自分が嫌だ。

でも次回以降も絶対に考えないという自信がない。

 

そうやって1ヶ月近く、半ば途方に暮れた状態でうじうじぐずぐず悩み続けた。

それを終わらせてくれたのは、深澤くんの1万字インタビューだった。

 

増員時のこと、メンバーへの思い、ファンへのメッセージ。

読んでわかった、というか、再確認したのは、「この人ほんとにグループのこと愛してるよね」ってことだった。

いやもう今さらもいいところな話だったんだけど。

深澤くんはそれまでにも何度も、「俺にとってこのグループとメンバーは本当に大事で守りたいものです。愛してます。だからみなさんも愛してください」という旨のことを言っていたし、1万字インタビューでもブレずに同様のことを言っていた。

だから本当に“再確認”って感じだったんだけど、あのタイミングでというのが私には大きかった。

あれを読んで、私の方針が定まった。

 

もっと加入組3人のことを知ろう。そして愛そう。私に足りないのは愛と覚悟だ。

 

単純な話だ。

9人全員への愛が足りないから、愛し続けようって言う覚悟が足りないから、見当違いのたらればなんか考えるんだ。

「6人にとって必要な人たちだから受け入れる」とかじゃなくて、3人のことをちゃんと個人として好きになって、9人のSnow Manじゃなきゃ嫌だ!って言えるくらい大好きになろう。

なろうと思って好きになれるものじゃない?

何を言う。

大好きな人が大好きな人たちなんだから、ちゃんと知れば好きになるに決まっている。

私はそういうところ単純だ。

車なんか一切興味なかったくせにF1好きの彼氏ができたらあっという間に詳しくなる程度には単純な女だ。

 

というわけで、そこからサルベージが始まった。

3人のSnow Man加入前のことを調べてみたり、録画や動画や円盤を(深澤くんばっかり見ないでひとりひとりにちゃんと注目して)見返してみたり、ブログを遡ってみたり。

一方で新たに出てくるものも追って、ひとりひとりをじっくり見つめて、3人がどういう人なのかしっかり掴もう、6人のことも改めて知ろうという姿勢でいるように努めた。

その頃ちょうど自粛期間中で、8分割されたリモート動画が出たり、深澤くんの誕生日動画で一人ずつしっかりコメントしたりしていたので、そこでも個人個人を見つめやすかった気がする。

(ちなみに、このサルベージ作業の真っ最中に出たananで、Snow Manの連載のトリ・深澤辰哉のタイトルが『覚悟の在処』だった。わかってるよあなたの覚悟は!私の覚悟は今決めようとしてるとこだから待ってろよちきしょー!好きだ!!ってなった。)

 

やってみれば本当に単純なことで、ひととおりサルベージが済んだころには、9人全員マジでちゃんと好きになっていて、どこが好きかを全員についても一人一人についても語れるくらいには立派な箱推しになっていた。

あと深澤くんのことをさらにさらに大好きになっていた。

 

そしてそれからは、あの呪いのような思考に襲われることはなくなった。

Snow Manは9人でなきゃダメだし、9人でいるSnow Manが好きだし、その中で深澤くんに笑っていてほしいと心から思う。

 

今でも新曲発表のたびに、深澤くんまた歌割り少ないなぁ、悲しいなぁ、いつかは順番来るんだし待つけどやっぱり悲しいなぁ、という気持ちにはなる。

でもそれは無理に押し殺す必要はないし、持ったままでいいやと思っている。

悲しくなったらちょっと休めばいいし、休んでる間も供給は止まらないから、すぐに別の喜びや楽しさをもらえる。

そうやってどんどん楽しいことうれしいことに飛びついて騒いで、Snow Manは最高だ大好きだと9人を応援すればするだけ、悲しいなと思わなくて済む日は早く来る。

でもその日が来た時に、あんなに苦しんだ自分のことを自分で忘れていたらそれはそれでどうなんだろうと思ったので、できるだけ包み隠さずに記した。

 

繰り返すが、これは私の場合であって、正解ではない。

ファンたるもの箱推しであるべきだとかも思っていない。

ただ、誰かを憎らしく恨めしく思うことは、単純に悲しむことよりもよほどしんどいから、私は私のメンタルを守るために愛そうと決めただけだ。

 

ここに書いたことを、未来の私が汚点ととるか、意味のあるものととるかはわからない。

ただ、彼らのことを大好きなままでいることは信じている。

 

 

 

 

 

増員時のこと

※注意※ 

今回、Snow Manの増員時のことについて書いていますが、私は当初かなり否定的だったし、その当時の思いをストレートに記しているので、過去のこととはいえネガティブなことを目に入れたくないという方は読まないでください。

 

 

 

 

Snow Manの増員が発表された2019年1月、私はSnow Manのファンになって約2年が経っていた。

ファンになったきっかけはパフォーマンスだったけれど、この頃にはそれ以外の部分も大好きになっていた。

2018年にYouTubeでジャニーズJr.チャンネルが開設されて、6人の飾らない姿をたくさん目にしたのが大きかったと思う。

YouTubeというのは本当にすごいもので、毎週更新されるのを追いかけるうちに、一度も現場に行ったことのない私でも、彼らのことをとても身近な存在に感じていた。

その、大好きで身近な存在に感じているグループに突然変化が生じた時、「あ、はい、そうなんですね、わかりました」とあっさり受け入れることは、どうしてもできなかった。

 

青天の霹靂、寝耳に水、驚天動地、茫然自失、瞠目結舌、思考停止。

増員が発表された時はそんな感じだった。

 

は?え?なに?え?は?なんで?なに?え?なんで?????

 

軽くパニックだったと思う。

でも、驚きと困惑の次に湧いてきたのは怒りと反発だった。

 

ここに来て増員って何?発案は本人たちじゃないよね?事務所側だよね?は?この6人じゃダメってこと?この6人じゃデビューできないってこと?デビューできたとしても売れないってこと?は?何それ?意味わかんない。バカにしてんの?

 

そう、増員する意図を考えた時に、私の大好きな6人を否定されたようで、バカにされているようで、それがすごく嫌だったのだ。

新メンバー3人が、また癪に障った。

 

15歳、ダンス世界大会準優勝のハーフ。

21歳、いかにも万人受けしそうなジャニーズ顔。

24歳、バラエティ大得意のコテコテの関西人。

 

これを入れるってことはつまり、「Snow Manには若さとキャッチーさが足りないよね、これじゃ売れないよ、足りない要素を連れてきてやったよ」ってこと?はぁ?ふざけんなよ、いらないし!

 

この時の私は、増員=武器が増える、とはどうしても考えられず、今までの6人を否定されたと思い込んだ。

増員をあっさり認めてしまったら、今まで応援してきた6人の価値が下がってしまうような気がしていた。

また、私は個人的に、「全員アクロバットができる」「低い声のイケボが揃っている」という点が大好きなポイントだったので、アクロバットができない3人が入ることも、変声期も終えていない子供の声が混ざることも嫌だった。

言い訳になってしまうが、ファンだったから、好きだったからこそ、反発が大きかったのだと思う。

 

その反面、ここまでしっかり確立されたグループに今さら増員というのは、気まぐれなどではなくデビューへの布石ではないかというのを感じてもいた。

が、それもまた反発につながった。

 

増員は受け入れたくないけれど、それでデビューできるなら、6人の今までが報われるならいいのでは?

いやでも、この3人が入ったからデビューできた、みたいになったら、6人でやってきたのがなんだったのみたいにならない?やっぱあの6人じゃダメだったよなってバカにされない?

それに「足りない要素=若さとキャッチーさ」を担う要因として3人が入ったなら、デビュー後はこの3人が特に売り出されるよね?

せっかくデビューできても、新参者の年下3人がプッシュされて、ずっとがんばって土台を築いてきた6人が蔑ろにされるなんて、絶対耐えられないし許せない。

 

……と、こういうことを考えて、そう考えた自分に気づいて、それはもうドン引きした。

 

いやいやいやいやちょっと待て。

「今まで自分が大好きだったものを否定されたように感じる」とか、「そもそも大好きなものが変わってしまうのが嫌だ」とか、「変わってしまったらどうなるのか不安だ」とかはまぁいい。

しょうがない。

人間心理としてわりと自然というか正常の範囲内というか、あり得る反応だ。

でも「許せない」って何?誰目線?

何様なの私は?

ステージママなの?モンペ?

私は彼らのファンではあるけど身内ではないよ?

え、ちょっと待って怖い怖い怖い何この異常な思考っていうかもはや思想?

こんなの知らない、え、私ってこんなこと考える人間だったの?

 

本当にゾっとした。

2年以上経った今でも、自分の中にあった異常性にドン引いてゾっとしたこと、それですごく凹んだことはよく覚えている。

それでだいぶ冷静になった。

 

一旦、ファンの感情を捨ててビジネスの視点で見てみようと思った。

そう、ビジネスの視点で見れば、この増員はすごくいいアイディアだったのだ。

「若さ」も「キャッチーさ」も、アイドルを売る上でとても有効な武器だ。

それを持っている人を前に押し出して客を呼び込んで、それからグループのことをちゃんと知ってもらってメンバー全員のことを見てもらおうというのは、とても堅実な戦略だ。

いくら実力があっても、見てもらえなければ意味がない。

むしろ実力があるならなおさら、どんな手を使ってでも客の目を引かなければもったいない。

だから、加入組3人のことをよく知らなくても、表面的なプロフィールを見ただけの時点でも、冷静に考えれば、彼らにデビューして成功してほしいと思うなら、否定する理由はないはずだ。

3人が加わることは、6人を否定することにはならない。

6人が素晴らしいからこそ、それをもっと世に知らしめるために新たな武器が必要で、3人はそれをもたらしてくれる存在なのだと、そう考えればいい。

 

……というのはまぁ、理屈なわけで。

理屈で心から納得できるほどできた人間でない私は、頭ではメリットを理解していても、とにかく「嫌だ!!!」という気持ちが消えなかった。

 

しかしいくら私が嫌だと思っていても、増員は決定事項だ。

雑誌もYouTubeも何もかもが9人になり、3人なんかいらない、6人が見たいのだと言ったところで、6人を追えば3人も目に入る。

そうしているうちに、嫌でも加入組の3人をただの「要素」ではなく「個人」として認識するようになる。

そうすると、反発することに罪悪感が出てくる。

 

私の「6人を否定するな!加入いらない!」っていうのは、この3人を否定することになってるよね?

自分がされて嫌なことをやっちゃってない?

 

3人が6人のことを尊敬していることも、歌舞伎で必死にがんばっていることも伝わってきたから尚更だった。

何より、増員は自分たちの意志だと、6人が、深澤くんが伝えてくれた。

 

6人が自分たちで選んで受け入れて、9人で一緒にがんばっているのに、私はそれを応援できていない。

それはファンと言っていいの?いつまでも6人にこだわって受け入れられないほうが悪いんじゃないの?

 

子供みたいに意固地になって好きだったものにしがみつく気持ちと、形が変わっても好きなことに変わりはない人たちを素直に応援したい気持ちとがこんがらがって、すごく悩んだし苦しかった。

でもそれも、この増員を決めた時の本人たちのほうがよっぽど悩んだし苦しんだだろうな、こうやって受け入れられないファンがいることでまた悩ませて苦しませてるんだろうな、「すぐに受け入れられない気持ちもわかるし待ってる」って言ってくれてたけど本当は決断を認めて応援してほしいだろうな、と思って、さらに胸中がこんがらがることになった。

 

ダメだ、パンクする、落ち着かなきゃ。ちょっと距離を置こう。

 

そう思ったのは、たぶん3月末くらい。

 

私が6人のことが大好きなのは間違いない。

Snow Manは9人になって、ひたすら前を向いてがんばってる。

それなら増員は受け入れなきゃいけない。

受け入れたい気持ちはある。

でも私はまだそこまでいけていない。

距離を置いてみたら、心の整理がつくかもしれない。

 

とりあえず、雑誌を買うのをやめた。

歌舞伎の演舞場公演が始まってもレポを見ないようにした(当時Twitterをやっていなかったので、意図的に検索しなければいいことだった)。

ただし、5/5と5/17のレポはどうしても気になって検索してしまった。

「受け入れなきゃ」という気持ちがより強くなった。

それと、4月にいわふかラジオがあって、それを聞いた時も「いまだに増員のことでもやもやしてる私がおかしいのかな」って思った。

(この、「受け入れなきゃ」とか「私がおかしいのかな」とか思っている時点で、受け入れることに抵抗しているも同然なのだが……)

 

で、距離を置くというならば、もちろんYouTubeも見ないようにすればいいわけだが、それができなかった。

だってSnow Man以外にも見たいYouTubeはあるわけで、そのためにYouTubeを開くと視聴履歴からおすすめが表示されちゃうわけで、サムネが目に入っちゃったら見ちゃうわけで……YouTubeこわい。

 

でも、結果的にこれがよかった。

まず、やっぱり視覚的な“慣れ”というのは大きい。

最初は違和感しかなかった画も、見ているうちにだんだん慣れてくる。

週一で更新される動画を見ていれば、「9人いる」という事実に違和感を覚えなくなっていく。

そして、私にとってターニングポイントとなる動画を見ることができた。

5月末に出た「Lock on!」のダンプラだ。

 

あれは、なんていうか、本当に衝撃だった。

6人のSnow Manのままだったらきっともらえなかった曲だろうなとも思ったし、仮にもらったとしても、こういうパフォーマンスにはならなかっただろうなと思った。

画面越しでしかなくても、2年半も追ってきた人たちだ。

作り笑いをしていたり気を遣っていたりしたら、パフォーマンス中ならなおさら、気づく自信があった。

でもあの動画は、全員がものすごく楽しそうだった。

そして、深澤くんがとても優しい顔をしていた。

この3人は、私が大好きな6人にとって、本当に必要な人たちなんだ、この9人は間違いなくもう仲間なんだ、とすんなり理解できた。

 

そこから、増員後の動画を見返した。

そうしたら、反発を抱えて見ていた時とは違うふうに見えた。

 

私は深澤くんばかり見てしまうから深澤くんのことになるけれど、深澤くんが6人の時にはしていなかった顔を見せている。

反発を抱えていた時は、それを「新メンバーに気を遣っているから」と思っていたけれど、もちろんそれもあるだろうけど、反発を取り払って見たらそれだけじゃなくて、「年下の身内がいるから」なんだと思った。

 

深澤くんは誰にでも優しいけど、年下に特に優しい。というか甘い。

6人時代の紹介RAPで「後輩支持率No.1はこいつでしょ」と言われるくらい、キンプリの岩橋くんを「孫」と呼び「おじいちゃん」と呼ばれるくらい、おごりすぎて「さいふっか」というあだ名がつけられるくらい、少年忍者のメンバーから「ふっか」呼びされるくらい、年下を可愛がり年下から懐かれるのが深澤くんだ。

 

そんな人が、自分で身内に入れると決めた年下3人を、特に11歳も下のラウールくんを、可愛がりまくらないわけがないのだ。

可愛がって、甘やかして、守って、導いて、見守って……そういう「年上の身内としてできること」は全部やってあげたいと思うだろうし、実際やるだろう。

義務だからとかじゃなくて、心の底から可愛いと思っているから。

 

ああ、こういう顔いいな、好きだな。

増員がなかったら、こういう顔は見られなかったな。

 

そう思ったら、「受け入れなきゃ」とか「反発しちゃいけない」とか無理やり気持ちを変えようとしてたのが馬鹿みたいに、とても自然に「増員してよかったな、入ってくれてよかったな」と思えた。

 

これは私の考えに過ぎないし、全部勘違いで思い込みかもしれない。

9人が「Lock on!」を踊っているときに何を考えていたのかも、いつごろから本当に打ち解けたのかも、確かなことは何もわからない。

ただ単に、私個人が増員を受け入れられた経緯がこうだったというだけの話だ。

 

この時から、6人時代があったからこその9人だし、9人でSnow Manを大事にして飛躍してくれればいいと思えるようになった。

もちろん、先の不安はあった。

この形で成功したとして、それからどうなっていくのか、それを考えると怖かった。

でも、そんなのは6人だって考えたはずで、わかっているはずで。

彼らがそれも承知で、9人で歩いていくと決めたなら、それ以外に道はない。

私はそれをちゃんと応援しよう、だって大好きなんだから。

3人が入ってくれたことで見られるようになった顔を、ずっと見ていたいから。

 

無理なくそう思うことができて、うれしかった。

大好きな人たちが決めたことにやっと自分の気持ちが追いついたのだと、心底ほっとした。

こうして、私は心から、Snow Manの増員を受け入れることができた。

 

でも、ここから半年後。

私はまた悩むことになる。

より深く、より暗く。

 

それはまた次回。

 

 

次回:わかるけどわかりたくない話

 

 

 

 

踊れすのーまん

※注意※

今回、ダンスについて自分が思うことをつらつら書いていますが、私はダンスの経験も知識も皆無ですし、運動も体育の授業以外でしたことがないレベルなので体の使い方とかも全くわかりません。芸術鑑賞も技術を云々することなく感覚で楽しむだけの人間です。そんなド門外漢の私個人が勝手に持った印象を書いただけなので、見当違いだったり意味不明だったりはすると思いますが、これは個人的思考を記録しておくことを目的としたブログなので、お嫌でしたら読まないでください。

 

 

 

 

前々回の記事で深澤くんのダンスの好きポイントを羅列したのだけれど、それをピックアップするためにダンス動画をひと通り見直していたら他のメンバーの好きポイントもピックアップできちゃったので、せっかくならとまとめておくことにした。

 

以前こんなツイートをしたことがある。

 

 

“自然”の深澤辰哉についてはすでに無駄に資料が多くて熱意が空回ったプレゼンみたいな記事を書いてしまったので、他のメンバーについてはできるだけ簡潔かつ冷静に、順に好きポイントを挙げていきたい。

たぶん、該当担の方からすると「もっと他にもあるだろ!」って言われると思うけど、完全に個人的な好みの問題だし、基本的に深澤くんばっかり見ていて他のメンバーについてチェックが甘いのでご容赦願いたい。

 

 

 

1.“華麗”のラウール

加入した時、ダンスの巧さと派手さに驚いた(まだ15歳!?ってのもあったと思うけど)。

彼はいつなんどきも華麗に踊りまくっているけれど、やはりあの長い長い長い脚が華麗に動く様には見とれるしかない。

私が特に好きなのはここ。

 

Party! Party! Party!「Shake your body×3」 

youtu.be

 

いやー何この動き。

脚の短い人はやろうと思ってもできなさそうだし、できても映えないだろうし、脚が長いからって誰でもできるものじゃないでしょう。

というか、この時のラウールくんはまだ16歳、まだ身長(ひいては脚)が伸びてる時なわけで、体型が変わるってことは体の使い方が変わるってことで、その最中にあってこのダンス。

これ成長止まったらまた踊り方が変わったりするのかな。

若いから内面の変化とかも表れそうだし、10年後とか想像つかないけど楽しみ!

 

 

 

2.“柔和”の向井康二

向井くんは本当にスタイルがいい。

やはりお母様の血だろう。

タイとかベトナムとかあのへんの方(特に女性)は、身長は小柄~普通でも小顔で手足が長い人が多い気がする。

そんなスタイルで、しかも運動神経もいいほうだったら思いっきり鋭いダンスを踊ってもよさそうなものだけど、彼のダンスはどの曲でもどこか柔らかい。

オノマトペで言うと、「ビシッ!バシッ!」とか「シュッ!スパッ!」みたいな感じじゃなくて、「ふわっ」って感じ。

格闘技やってたから止まる時に体に負担がかからないように衝撃吸収する止まり方してるとか?いやでたらめな憶測ですけど。

 

個人的に好きなのは『ひらりと桜』の向井康二

 

後姿の時、全体で右から3番目

youtu.be

 

いやこの動画めちゃめちゃ向井くんを追いにくいんだけど、公式YouTubeで他になくて……。

でも『ひらりと桜』の向井くんはほんとに桜の精っぽさがあってとても良いと思う。

絢爛たる歌舞伎の始まりを象徴する感じの華やかな曲の世界観を壊さず、それでいて柔らかさと可愛らしさがあるというか。

ROTで苦戦していたのが嘘のよう……いやだからこそか……がんばったね……。

 

 

 

3.“軽快”の渡辺翔

いやもうこの人はとにかくステップ!ステップが天才!!

体重あります??ってくらい軽やかに踊りますよね渡辺くんは。

これとかね。

 

KISSIN’ MY LIPS ラップ終盤

youtu.be

 

くっ!一瞬しか映りゃしないっ……!!

カメラワークとかいらんから定点で全員を映してくれと叫びたくなることの多いSnow Manですが、この曲は特にね……。

「スーパーいわさくタイム」って言われて盛り上がってたし、声を出している人間をアップにするのが定石と割り切ってはいても、この時ばかりはね……何人のスノ担が「カメラを引けぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」と叫んだことでしょう……。

ハロハロの「I’ll be your hero どんな時も~」もね、顔が綺麗なのはわかってっからここでアップにせんでいい!!それより足元!!!!!って感じ。

 

あとこれもかっこいい!

 

Make It Hot「踊り明かそう~サビ」

youtu.be

 

「踊り明かそう」のとこ、今何した?って感じだけどめっちゃかっこいいし、サビのステップはもう最高。

 

そんなステップの神・渡辺翔太が終始イケ散らかしててしんどいのがBlack Goldですね。

あれは切り取れない。

始めから終わりまでかっこよすぎる。

この曲はほんと渡辺くんにバチバチにはまってるので、こういう曲もっとください!

もっと見たい!!

 

(テンションでお察しの方もいらっしゃるでしょうが、私は殿堂入り深澤くんの次に渡辺くんのダンスが大好きです)

 

 

 

4.“自由”の佐久間大介

佐久間くんのダンスはもう、初めて見た時から「うまい」「すごい」だった。

「キャーッ!」って感じにならない。「わー!すごーい!」って感じ。

彼は普段のテンションもああだし、ダンスも常に全開って感じだけれど、私が好きなのはそこではなくて、ちょっと遊んでいるというか、アクセルをベタ踏みしていない時、そして振付がない部分の佐久間くんだ。

 

Party! Party! Party! 通路を移動しながら軽く回る佐久間大介

youtu.be

 

Black Gold 冒頭からサビの間、素人目にも異常な動きで遊ぶ佐久間大介 

youtu.be

 

特に前者。

これでもまだアクセルを踏んでると思うので、一度、観客に見せるということを一切想定しないで踊る佐久間くんを見てみたい。

佐久間くんは、常に見られることを意識しまくった全開のダンスを提供してくれる。

加減を知らない、限界なんか決めない、気持ちをセーブしない、とても自由なダンスだと思う。

でもそれはやっぱり「曲の中で」「ステージの上で」という枠がある(そこからも逸脱したらプロじゃなくなってしまうので当たり前だけど)。

そこからも解放された、真に自由な佐久間大介にとても興味がある。

可能なら、佐久間くんを一人でクラブに放り込んで「気分で適当に踊って時間潰しといてー」って言って、その様子をそっと見ていたい。

 

 

 

5.“計算”の阿部亮平

阿部くんはダンスでも頭がいい。

抜群の読解力で楽曲を解釈して、計算しつくされた表情や動きでそれを表現する。

「この曲はこういう曲だから、ここでこういうふうにしよう」と全部考えていると思う。

あざといあざといとさんざんいじられたD.D.のマルチアングル冒頭「いくよ」だってそうだ。

あれはデビュー曲の冒頭、しかも「Hey you let me go」「テッペン見せてあげよう」「キミとChange the world」という曲なのだから、「いくよ」で大正解、それがあの頷きひとつで伝わっているのだから100点だ。

 

カメラ目線で的確に攻撃を仕掛けてくるアップ職人阿部亮平YouTubeでも歌番組でも数えきれないほど確認できるけど、私が好きなのはこれ。

 

Boogie Woogie Baby「今すぐにGoC’monLet’s go」

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この、「C’mon」で顔を上げるやつ、「来い!!」っていうのをどうしても表現したいと考え抜いた末に取り入れたに違いない。

こういう計算が阿部くんだと思う。

また、岩本くんが阿部くんについて、「こういうふうに見せたいんだけど、ってよく聞いてきてくれる」と話していた(Dance SQUARE vol.43)。

自分で思いついたものはそのまま実行して、足りないと思ったら岩本くんにアドバイスをもらって、自分の目指すダンスを形にしている。

目的地を決めて、そこに到達するために試行錯誤しているのだろうなというのが、実に理系っぽい。

 

それと、阿部くんについてもう一点特筆すべきは、この数年でダンスがぐっと上達したこと。

5年前の阿部くんは、率直に言って6人の中でいちばん下手だった(アクロバットで一人だけタイミングがずれたり、ダンスも精度が低かったり)。

当時はまだ在学中だったので、練習時間が足りなかったのだろう。

というか、理系の学生生活を送りながらあそこまでできていたのは逆にすごい。一体いつ寝ていたのかと戦慄する。

身を削って両立していたのだろうと思うと本当に頭が下がるけれど、さらに頭が下がることに、卒業後、仕事一本になった彼はしっかりダンスが上達するのだ。

「あ、ほんとにただ単に時間が足りなかったんですね」と納得。

阿部くんのダンススキルがきっちり高いことは、Black GoldダンプラやStories倍速などを見るとよくわかると思う。

ずば抜けた頭脳で曲と歌詞を読解し、しかるのちに効果的な表現を模索し、最終的にきっちり高いダンススキルと豊かな表情でそれを実行する。

凄まじく仕事のできる男、それが阿部亮平

 

 

 

6.“闘志”の目黒蓮

手足が長いわりにコンパクトに踊る子だなと思う。佐久間くんと真逆かも。

宇宙sixが彼以外小柄だったから合わせてて癖になったのかな?

理由はわかんないけど、あれだけ長い手足を持っていながら振り回されることも持て余すこともなく制御して踊っているんだからすごい。運動神経の賜物?

 

私が好きな目黒くんのダンスはこれ、デビュー一周年記念の生配信のGrandeur。

 

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私が彼のダンスをして“闘志”と評したのはKISSIN’ MY LIPSのMVなのだけれど、あの時の“闘志”は、立ち塞がる何かと必死に戦っているような切羽詰まった感じの闘志だった。

そこから一年足らず、一周年の時は同じ“闘志”でもちょっと余裕がある感じ。

なんかこう、「バトルしようぜ!」的な、好戦的で楽しげな“闘志”。

加入時はついていけるのかと不安視していたレベルだったのに、加入から2年でここまで変わるなんて、本当にバトル漫画の主人公もびっくりの爆速成長である。

今後もまだ変わっていくのかな。楽しみです。

 

 

 

7.“貫禄”の宮舘涼太

宮舘くんは私が見始めた5年前はまだ“宮ちゃん”感があった。

Snow Man知名度自体が高くなかったのもあると思うけど、その頃は“舘様”呼びはまだ定着していなかったかもしれない(2016年のライブでキスマイがやたらと“舘様”を強調していたので、いじるの半分・定着させようと協力してあげるの半分だったんだと思う)。

彼が“舘様”という道を決めたからファンがそれに気づいたのか、“舘様”という呼称に何かを感じて彼が道を決めたのかはわからない。

わからないけど、彼は目指すダンスの方向が定まっていて、そこに向けてひた走り、2018年の時点でもう“舘様”としか言いようのないダンスが確立されていたと思う。

今はもう何を踊っても完全に“舘様”だ。

力強く安定感があり、それでいて決して鈍重ではなくしなやかで、貫禄が漂う。

5年前が王子だとしたら、今は完全に国王。即位おめでとうございます陛下。

 

そんな舘様のダンスで特に素晴らしいのは、やはり脚ではなかろうか。

あの恵まれすぎた下半身で繰り出す脚技の数々、平伏に値いたします。

個人的に宮舘涼太大優勝案件は2018年の歌舞伎のBoogie Woogie Babyだ。

「脚―――――!?!?!?!?!?!?」って感じ。

だがまぁそれはここに貼れないので、貼れるやつで好きなのはこのへん。

 

Stories「今は小さく儚い希望も」

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Grandeur 落ちサビ直前

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これなー、他の人が同じことやろうとしても絶対こんなに様にならないと思うんだよなー。

 

彼は「こういうふうに踊る」っていうビジョンがすごくしっかりしていて、生まれ持った身体と才能をフルに生かして、それを実践している。

阿部くんも目標を決めてそれを達成するために進むタイプだと思うんだけど、阿部くんは目標を細かく設定してそれをひとつひとつクリアしていく感じなのに対して、宮舘くんはものすごく遠い・高い目標を設定して、そこに向かって邁進していく感じ。

だから、彼が理想とする“舘様”にはまだ到達していなくて、その過程を見せていただいているような気がする。

彼が満足する日は来るのだろうか。反語。

 

 

 

8.“自然”の深澤辰哉

前々回(ここが好きだよ深澤辰哉 - 五臓六腑を燃やして)はいくつ動画貼ったんだよっていう……無駄に資料が多くて熱意が空回ったプレゼンみたいになってしまったので、ちょっと落ち着いて、涙を呑んで、好きなとこ絞ってまとめ直します。

 

深澤くんのパフォーマンスは力みを感じない。自然体。

それでいて色気が滴っていてめちゃめちゃかっこいい。

どこがどうしてとかは本当に一切説明できない。

で、そうやって「あー深澤くんかっこいいなー」ってうっとり見ていると、急に撃たれる。

その撃たれるポイント、全部見てみようと思ってくださる方は前々回の記事を見ていただくとして、厳選するとこれ。

 

ZIG ZAG LOVE「So tell me tell me girl 諸行無常“世界”」の肩

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Ⅵ Guys Snow man「Singin’ Singin’ 全力“で”」の足

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ちょっとやめてー!!!さらっとなんかしないでーーー!!!!嘘ですもっとしてーーーーー!!!!!

 

……だめですね、やはり好きすぎると思考が焼き切れて語彙が消失します。

 

 

 

9.“自信”の岩本照

岩本くんのダンスを見ると、ものすごく自信満々な感じがする。

ぶっちゃけ踊ってるとき常にドヤってると思う。

自分と自分のダンスがめちゃめちゃかっこよくて魅力的でみんなが惹かれることを知っていて、注目と称賛を浴びることに快感を得るタイプ。

本当にステージの上で生きる人だと思う。

 

彼の自信はどこも間違ってなくて、彼のダンスは掛け値なしに素晴らしくてかっこいい。

そう、私は岩本くんのダンスを見るとだいたい「かっこいい」と思う。

んだけど、このダンスは「かっこいい」ではなく「美しい」と思った。

 

終わらないMemories 間奏

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この曲のせいかもしれない。

6人体制・Jr.時代に別れを告げ、9人体制・デビューへと踏み出したSnow Manを象徴する曲だから、こっちの思い入れが強くて特別に見えるのかもしれない。

でも、それを言ったらこの時の9人だって同じ気持ちだったはず。

岩本くんがどんな気持ちで踊っていたかを知ることはできないけれど、やっぱり特別な思いはあったんじゃないだろうか。

「俺かっこいいでしょ」とか「踊ってるの楽しい」とかって感じの、自信満々で余裕綽々な岩本くんのダンスもとても魅力的だけれど、この終わメモの岩本くんは感情むき出しで、それが美しい。

ちょっと「え……これ見ちゃっていいのかな……?」って気持ちになる。

でもこれを見ちゃったらますます岩本照のダンスから逃れられない。

この時の終わメモ、無意識に感情があふれ出ちゃったのか、意識的にあえて出したのかわからないけど、どちらにせよ彼はステージで踊るのが天命だと思う。

 

 

 

 

以上、大変長くなりましたが、Snow Manの9人それぞれのダンスについて超個人的な考えを語らせていただきました。

 

気が済んだので、今度こそ記憶整理回に戻ります。

 

 

次回:増員時のこと

 

 

 

 

めめこじの軌跡

※注意※

今回、ダンスについて自分が思うことをつらつら書いていますが、私はダンスの経験も知識も皆無ですし、運動も体育の授業以外でしたことがないレベルなので体の使い方とかも全くわかりません。芸術鑑賞も技術を云々することなく感覚で楽しむだけの人間です。そんなド門外漢の私個人が勝手に持った印象を書いただけなので、見当違いだったり意味不明だったりはすると思いますが、これは個人的思考を記録しておくことを目的としたブログなので、お嫌でしたら読まないでください。

 

 

今、Snow Man9人それぞれのダンスの好きポイントをまとめた記事を書いているのだけど、オリメン6人の好きポイントが「絶対ここ!!」という感じなのに対して、加入組3人の好きポイントはちょっと自信がないというか、「これからひっくり返るかもなー、でも今んとこここかなー」という感じだ。

5年見てきた6人に対して、3人は2年半くらいしか見ていないのでどうにもつかみきれていないというのもあるし、ラウールくんに関してはまだ十代で心身の成長過程真っただ中だからダンスだって固まっていないというのが大きい。

そして、向井くんと目黒くんは加入直後から今までで凄まじく成長しているのでまだ断定できないのだ。

 

率直に言って、加入当時の向井くんと目黒くんは、明らかにダンスの力量が不足していたと思う。特に目黒くん。

がんばってるのはわかったけど、ノリが悪いというか、振付をなぞってるだけというか、彼らのダンスを見ても感じるものはなかった。

わかりやすいのはこれ。

 

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「誰も邪魔できない~感じようDestiny」の、特に「Make it hot」のとこと「lose your mind」のとこ。

この部分、他のメンバーは細かくリズムをとっているけど、二人、特に目黒くんはとっていない。

あえてそういう踊り方をしているわけじゃなくて、そういうレベルにいなかったんだと思う。

 

ところがだ。

Make It Hotが2019年の歌舞伎の曲だから、そこから約半年ちょっと、12月くらい。

 

youtu.be

 

おい誰だ!!向井と目黒はダンス下手だとか何も感じないとか言ったやつは!!出てこい!!!

 

さらにさらに、その一年後。

 

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もうこれ見ながらおばちゃんは泣きそうです。

この二人は、加入が決まって、加入して、デビューが決まって、デビューして、どれだけがんばってきたんだろう。

 

今のSnow Manを見ても、Make It Hotの時に感じていた、加入組が浮いている感じは一切ない。

この9人でひとつのグループだとしか思えない。

それは、9人全員でダンスをすり合わせて、コミュニケーションをとって、グループとしてまとまった結果というだけではない。

加入時、Jr.トップレベルのダンス集団と言われた6人と世界レベルのダンススキルを持った1人に囲まれて、向井くんと目黒くんは己の力不足を痛感しただろう。

そこから、ファンには笑顔を届けながら、裏でどれだけ練習したんだろう。

いくらあの面子に囲まれているからといって、二年でここまで成長するというのは並大抵のことではない。

二年は短い。何もしないでいたらあっという間だ。

その短い間、彼らは一時もサボることなく、ただただ努力してきたんだろう。

 

以前、こんなツイートをしたことがあるのだけど、

 

 

 

もしかすると今はもう「必死に食らいつく」なんて段階ではなくなっているかも……普通に渡り合っているかも……。

 

この二人は単純に努力して、そして成長したのだ。

すごいとか偉いとかありがとうとか、私なんかが言うのはおこがましい気さえする。

 

とにかく、二年半前の私に教えたい。

Snow Manは9人ともダンスがうまくて超かっこいいよ。

 

 

 

というわけで、次こそメンバーそれぞれのダンスの好きポイントの話をします。

 

 

 

 

ここが好きだよ深澤辰哉

※注意※ 

ダンスの好きポイントを挙げるために公式YouTubeを秒数指定して貼っていますが、だいぶ多くなってしまったので、お時間のない方は適当にとばしてください……。

あと、ダンプラは深澤担以外は深澤くんがどこにいるのかの把握から始まる方もいらっしゃると思いますが、そこは自力でお願いします……。

 

 

私は深澤辰哉の声も容姿も性格も何もかもが好きだけれど、最初に好きになったのはパフォーマンスだし、深澤辰哉のダンスとアクロバットが宇宙一かっこいいとずっと思っている。

 

以前こんなツイートをしたことがある。

 

 

深澤くんのパフォーマンスは力みを感じない。自然体。

それでいて色気が滴っていてめちゃめちゃかっこいい。

なんでかは知らない。とにかくナチュラルにエロくてかっこいい。あーかっこいい!好き!!深澤くんかっこよすぎる大好き!!!

 

……という感じでただただ全部が好きなだけで論理的な説明は不可能なのだけれど、それでも特に「ここ!」というポイントはある。

そういう個人的に特に好きなポイントを引用とともにリストアップしてみた。

 

 

1.肩・首

私が深澤担であることを自覚したのは2017-2018のカウコンの『まいったネ今夜』なのだけれど、たぶんあれも肩の落とし方にギュン!ときたのだと思う。

これはもう好きポイントが多すぎるのでひたすら貼っておく。

 

Ⅵ Guys Snow Man「Ⅵ Guys Snow Man

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ZIG ZAG LOVE「So tell me tell me girl 諸行無常“世界”

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終わらないMemories 間奏(横向いて肩を動かすとこ)

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KISSIN’ MY LIPS「oh “yeah”

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KISSIN’ MY LIPS「Nothing worry “about as long as you with me”

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Stories 間奏(ここから3秒間くらい)

youtu.be

 

Yum Yum Yum~Spicy Girl~「What a spicy girl, “girl”

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これだけ挙げたけど、実はYouTubeじゃなくてテレビのほうが多い。

MVとかは覚えたてで撮ってるからまだ固さがあるけど、テレビで披露する時はけっこう踊りこんでていい感じに力が抜けてるのかな。

最近だと、テレ東音楽祭のD.D.とか、バナナサンドのハロハロとか、もーきゅんきゅんです。

 

 

 

2.脚?足?

わかりやすいのはステップ踏んでる時。

 

Make It Hot「Can you feel? このまま夢と幻想の中」

youtu.be

 

Grandeur「Now this time fight for liberty 真実さえ飲み込む常識をbreak」

youtu.be

 

でも、こういうのは振付のうち。

個人のクセが出るところでちょいちょいかっこいいことやるのよこの人。

 

Make It Hot「踊り明かそう」

youtu.be

 

Stories「僕らは今日“も目を”閉じる」

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特に私が大好きなのはこれ↓

 

Ⅵ Guys Snow man「Singin’ Singin’ 全力“で”

youtu.be

 

見ました?ねぇ見ました??

あー好き!!!!!

 

 

 

3.回し蹴り

これはそう頻繁に見られるものではないんだけど、YouTube上で見られたのはこれ。

youtu.be

 

はい、深澤担もれなく死にましたー。

いやもうほんと好き。毎度死ぬ。

2018年の滝沢歌舞伎の『蒼き日々』とか、2018-2019のカウコンの『花唄』とかでもやってるので、映像をお持ちの方はぜひチェックしてください。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

4.ロン宙

深澤くんが一人でロン宙する時はあんまり高く跳ばない(誰かと一緒の時は若干高くなる気がするので、たぶん合わせているのではなかろうか……職人かよ!)ので、頭がけっこう地面スレスレだと思う。

逆に怖くないのかと思うけど、危なっかしい感じは全然しなくて、自然で余裕。

たぶん必要なぶんだけ跳んでいるんだろうと思う。

それと、空中であんまり体を丸めないで、つま先と頭をかなり近づける感じで体を反らせて回転しているように見える。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

これが好き。たまらん。

(でもこれが実はめちゃめちゃ腰に悪いやり方とかだったらどうしよう……それならフォーム直してね……ファンは常に深澤くんの腰を心配しているよ……)

 

個人的にいちばん好きなロン宙は、デビュー直後に出演した『シューイチ!』の中丸くんコーナー『まじっすか。』にて、「中丸くん!」と呼び掛けて走り寄る、のではなくロン宙かましたやつ。

ビジュアルといい出来栄えといい死ぬほど好きだった。

 

 

5.手

ダンスでもアクロバットでもないんですけども。

この人は自分でも手が綺麗なことがわかってて気に入ってるのでね、まーやるやる。

ゲッツとかバキュンとかお祈りとかいろいろ………。

私はこれが好きです。

 

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ついでにウィンクも反射レベルでばんばんやってくれますからね。

そんなにやるとありがたみが薄れ……ないな。

好きです存分にやってください。

 

 

 

以上、好きポイントの羅列でした。

『Party!Party!Party!』と『Black Gold』のダンプラが一切入っていないのは、あの2曲の深澤くんは終始イケ散らかしていて全瞬間が好きなので切り取れないからです。

前記事で、「引きで見ていると、自分のターンじゃない時は絶対に目立たないのに、自分のターンになった途端ぶわぁっと浮き出てくる」と申し上げたし心底そう思っているのだが、この2曲だけは最初から最後まで全開で爆イケ澤辰哉だと思う。なぜだ……。

わからんので丸ごと貼っておきます。

 

Party! Party! Party!

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Black Gold

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それはさておき、こうしてリストアップしてみて、私は深澤くんのダンスが本当に好きだと改めて思う。

基本的に、この人は「こういう動きやったらかっこいいな……いや角度はもうちょっとこうで……」とかをあんまり考えてない気がする。

もちろん、自分のダンスというものが確立されるまではいろいろ試行錯誤もしただろうし、今でも全員で揃えるところや振付師さんの指示があるところはがっつり気にしているだろうけど、自分一人の裁量でいいところは今はもう感覚でやっているのではなかろうか。

なんとなくこんな感じかな~、的な。

センスとか運動神経とかでやっちゃう的な。

当然と言えば当然だ。センスと運動神経が良くなかったら、小学校低学年からダンスを習っていたメンバーに囲まれて引けを取らずにやってこられていない。

 

KISSIN’ MY LIPSのプロモ期に雑誌のインタビューで、「俺は体が硬いけど、脚上げは別に大変じゃない。無理に股関節でどうにかしないで、上体をちょっと後ろに倒せば脚は上がる」的なことを言っていた。

(逆に、そのやり方ができないGrandeurの脚上げは苦しそうw)

KISSIN’の脚上げ、綺麗で凄いのはやっぱり岩本くんや宮舘くんみたいに股関節の柔らかさで軽々と顔の前まで上げるやり方だろう。あれは凄すぎてちょっと笑う。

でも私は深澤くんの脚上げも好きだ。

そんなに高くは上がっていないけれど、がんばってる感がなくて自然、でもかっこいい。

 

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確かに上体が後ろにいっている。

(要するにキックだよな……絶対にケンカ強いよね、握力強いからパンチ力もあるだろうし)

 

深澤くんは、ダンスもアクロバットも、自分にとっていちばん自然な体の動かし方をしていて、それが深澤くんの魅力になっているのかもしれない。

いやわかんないけど。

 

とりあえず最後にもう一度。

私は深澤辰哉のダンスとアクロバットが宇宙一かっこいいと思ってます!大好きです!!

 

 

 

これにてダンス回は終了、次はまた記憶整理回……と思ったのですが、深澤くんの好きポイントをピックアップするためにダンス動画をひと通り見直してたら他のメンバーの好きポイントもピックアップできちゃったので、深澤くん以外の8人の好きポイントを挙げた記事も今度書きます。

 

 

 

深澤担になるまで

※注意※ 

今回、ダンスについて自分が思うことをつらつら書いていますが、私はダンスの経験も知識も皆無ですし、運動も体育の授業以外でしたことがないレベルなので体の使い方とかも全くわかりません。芸術鑑賞も技術を云々することなく感覚で楽しむだけの人間です。そんなド門外漢の私個人が勝手に持った印象を書いただけなので、見当違いだったり意味不明だったりはすると思いますが、これは個人的思考を記録しておくことを目的としたブログなので、お嫌でしたら読まないでください。

 

 

 

 

私は現在ゴリゴリの深澤担である。

しかし、最初からそうだったわけではない。

私は「自分は深澤担だ」とはっきり自覚するまで一年くらいかかった。

 

顔は最初から気になっていた。

正確には、「顔は岩本くんか深澤くんがタイプだな」と思った。

(※余談1:私の好みは大変わかりやすい。キスマイなら横尾・藤ヶ谷、JUMPなら高木、俳優なら要潤松田龍平浅野忠信鈴木亮平柄本佑あたりにときめく、と言えばおわかりいただけるだろう。若手なら当代の市川染五郎くんなんて将来が楽しみでたまらない。友人には「S顔好きだよね。ドMなの?」と言われた。誰がドMか。)

が、「岩本くんはめっちゃかっこいいけど、深澤くんはなんかパっとしないっていうかあか抜けないっていうか……絶対好みの系統の顔なんだけどなぁ……はっとするほど美しい瞬間もあるんだけど……打率低いっていうか……」と失礼なことを考えて首をかしげていた。

 

2015年滝沢歌舞伎円盤、2016年Kis-My-Ft2ライブツアー『I Scream』円盤、2017年早々に買った2016年滝沢歌舞伎円盤を見ただけの時点ではそんなもの。

(※余談2:2016年滝沢歌舞伎は第二幕がまるまる鼠小僧で、この年初登場のお丸さんが大活躍していた。お丸さんのことは一度で大好きになったし、即“お丸担”にはなったのだが、だからといって深澤担というわけではなかった。)

沼落ちの決定打になった『I Scream』のZZLでは岩本くんが抜かれまくっていたのでそれに素直にときめき、あえて言うなら岩本担に傾いていたと思う。

 

 

そこからどうやってゴリゴリの深澤担になったのか。

 

2017年当時、Snow Manのメディア露出は恐ろしく少なかったし、YouTubeのチャンネルもIsland TVもまだ存在していなかった。

Snow Manは現場を中心に活動していて、在宅オタクにできることはあまりなかった。

(※余談3:私は個人的な事情により、2015年頃から「趣味のためにはリスケのきかない予定は入れない」と決めているので、キスマイもSnow Manもハマった瞬間から今に至るまで現場に行ったことは一度もない。コロナ禍以降は映画館にすら行っていないので、在宅オタクの極みである。)

加えて私がTwitterをやっていなかった(見たくないものが目に入ってしまうことに嫌気がさしてやめた)ので情弱だったこと、日々の生活に追われて趣味に割ける時間が少なかったこともあり、2017年の私は数枚の円盤を数回ずつ繰り返し見るということをした。

 

2016年夏~2017年末までで、私が見たSnow Man出演円盤は以下の通り(購入順)。

・2015年滝沢歌舞伎

・2016年Kis-My-Ft2ライブツアー『I Scream』

・2016年滝沢歌舞伎

・2014年滝沢歌舞伎

・ABC-Z『Reboot!!!』MV・メイキング

 

パフォーマンスで落ちた身なので、やはりダンスを夢中で見た。

初めは、岩本くんと佐久間くんに目がいっていた。

クロバットで派手なことをするのはあの二人だったし、やっぱりあの二人のダンスは目立つ。

バックで踊っていても、顔が見えなくてもすぐわかる。Mask Danceなど最たる例だろう。

バックのJr.を個人識別できた時というのは、ちょっと特別なうれしさがあるものだ。

そこで私は、6人全員を識別してみせようと意気込んだ。

 

岩本くんと佐久間くんに続いて、阿部くんと宮舘くんもわかるようになり、やがて渡辺くんもわかるようになった。

ところが。

 

深澤くんだけ、どーーーーーしても瞬時に識別できない。できてもすぐ見失う。

 

なぜだろう?

確かに岩本くんや佐久間くんに比べると癖のないダンスだけれど、それを言ったら渡辺くんだってそうだ。

動きに癖がないから識別できない、というのは違う気がする。

また、魅力がないから、というのは断じて違う。

『I Scream』のZZLでは紛う方なきアイドルとして輝いていたし、彼のパートではぐいっと彼に目が引き寄せられた。

他のメンバーに比べて劣っているとか魅力が足りないとかいうことはない。

 

なんで?なんで深澤くんだけパっとわかんないの??

 

不思議なのと悔しいのとがないまぜになった気持ちで繰り返し見ているうちに、ふと思った。

 

あれ……?この人なんか……スイッチない……?

 

いや、6人ともちゃんとスイッチはあるのだ。

バックについている時は先輩を、自分たちがメインであっても他のメンバーのパートの時はその人を、食わずにしっかり立たせるのも仕事なのだし、「職人集団」とまで呼ばれていた彼らにそれができていないわけもなかった。

(※余談4:自他共に認めるダンス苦手ジャニーズのキスマイ横尾渉は『I Scream』ライブの『Phycho』で、自身の下手さが目立つの嫌さに、隣で踊る佐久間くんに「ちょっとテンション落として踊ってくれ」と頼んだらしい。我が推しながら実に情けない先輩である。そういう「そもそもファンとスタッフとJr.の力を借りて輝かせていただいているんだから遠慮なく甘えよう」みたいな人間くさいとこ好きだけど。そのぶん感謝も称賛もたくさん口にしてくれるし。

ともあれ、佐久間くんはちゃんとその注文に応えていたし、6人ともそういう注文に応える、というか言われずとも調整する心得も技量もあったのだ。)

 

しかし、深澤くんのスイッチは特に、他の5人よりも顕著に感じた(あくまで私は、です)。

なぜだかはわからないけど、そう感じた。

 

今ならわかる。

深澤くんは、自分のターンじゃない時は絶対に目立たないのに、自分のターンになった途端ぶわぁっと浮き出てくる。

この傾向は年々顕著になっているので、当時私が見ていたものより最近のパフォーマンスを見たほうがわかりやすいのだけど、ぼーっと見ていたら突然イケ散らかした深澤辰哉が出現して「え?今までどこにいた?気配あった?」と愕然としているうちにスっと立ち去られてしまう、という現象は確実に存在すると思っている。私は。

これを当時の私は「スイッチ」と捉えたのだ。

 

当時これがうまくつかめなかったのは、先輩が主役の曲では“自分のターン”がほとんどなかったこと、唯一Snow Manバチバチに主役の『I Scream』でのZZLは寄りばかりで引きの画が少なかったことが原因だと思う。

本人たちの曲で、引きの画で見ていると、“浮き出る瞬間”がとらえやすい。

Dance Practice動画など最高だ。

 

だがしかし、当時はこの“浮き出る瞬間”をとらえられず、ぼんやりと「なんか他の人よりも存在感の切り替えスイッチが強く感じられる人」だと思った。

不思議だった。

 

この時点で、私の心は確かに動いていたのだと思う。

「なんか気になるから意識的に」見ていたのが、「無意識に探して見入る」感じに変わっていっていた。

 

あれ、私この人のダンス好きなのかな、でもなんでだろ、なんかよくわかんない……。

 

そういう自分で自分がよくわからない状態で見たのが、2017年末のジャニーズカウントダウンコンサート(テレビ放送)だった。

 

この年、東山さんがSnow ManSixTONESTravis Japanと一緒に(バックじゃなくて一緒に!)『まいったネ今夜』をやるという、大変素晴らしい企画があった。

ソロで歌ったのは各グループから一人ずつ、岩本照・ジェシー宮近海斗

この時の、金髪オールバック黒タキシードの岩本照のビジュアルは、私の嗜好に刺さりまくった。

彼がアップになった瞬間に心奪われ、「ひゃーかっこいい」という呟きが漏れた。

普通ならここから終わりまで、一瞬たりとも彼から目が離せないはずである。

 

ところがだ。

『まいったネ今夜』の『少しポーズをつけながら』の部分、引きでSnow Man6人が映った瞬間、私の目は深澤くんに釘付けとなり、彼のダンスにこれ以上ないほどときめいた。

声も出なかった。

すぐ隣にいる、自分の好みど真ん中のビジュアルで最高にかっこいいダンスを踊る男が目に入らないというのは、私にとって異常とも言える事態だった。

ほんの一瞬、でも私には劇的な一瞬だった。

私は全面降伏した。

 

なんで好きかとかどこが好きかとかもうどうでもいい。

私は深澤辰哉のダンスが好きだ。

だから私は深澤担だ。

 

というわけで、私は2018年の始まりと共に深澤担として目覚めた。

この時点では“深澤辰哉のダンス担”(兼お丸担)だったのだが、同年YouTubeでジャニーズJr.チャンネルが開設され、パフォーマンスはもちろんのこと、その人柄にもどんどん惹かれていくことになる。

ついでに雑誌をちゃんとチェックするようになり、そこでも人柄、そしていわふかの関係性を見せつけられて完全に虜になった。

ビジュアルも加速度的にかっこよく美しくなっていき、今や紛う方なき爆イケ美人におなりあそばした。

何よりも、自分は深澤担であると自覚した上でダンスを見続けたおかげで、彼のダンスのどういうポイントが好きかというのを着実に把握していくことになった(だって自分の心臓が跳ねたポイントを把握すればいいのだから)。

 

これにてめでたくゴリゴリの深澤担のできあがりである。

続いて“彼のダンスのどういうポイントが好きか”についても綴りたいところだが、どうあっても尋常でない長さになること必至なので、今回はこれにて(妖怪の世界へ)ドロン!

 

 

次回予告:ネットの片隅で深澤辰哉愛を叫ぶ

 

 

 

 

Snow Manとの出会いから沼落ちまで

 

私がSnow Manを知ったのは、2016年の夏である。

その少し前にキスマイにはまったばかりだった私は、その前年のライブDVD『2015 CONCERT TOUR KIS-MY-WORLD』を見ていた。

 

(※余談1:このライブの『Shake Body!!』で、入所したてのラウールくんが玉ちゃんの横で踊っているのをチラッと見ることができる。チラッとでも刈り上げポニーテールちびラウちゃんを見たい方はチェックチェックぅ!)

 

キスマイもエイベックス所属であるのでもちろん特典映像はもりもり、準備期間からオーラスまでの密着ドキュメントも当然入っているのだが、そのドキュメントのリハだったか衣装合わせだったかの部分。

「※北山は滝沢歌舞伎シンガポール公演に出演中のため不在」というテロップが入るのだ。

 

「へぇ、ジャニーズの舞台って海外公演やってんの!?」という驚きと興味を持った私は、すでに発売されていた『滝沢歌舞伎10th Anniversary』の円盤をすぐに購入・視聴した。

何しろ5年も前のことなので記憶は曖昧だが、とりあえず「なんだこりゃ??」と思ったのは覚えている。

とても手が込んでいて演者のレベルも高いエンターテインメントショーだということはわかるのだが、意味はよくわからない。

よくわからないけれどなんかすごい。あとちょいちょいおもしろい。

歌もダンスもアクロバットも芝居も殺陣もコントも大喜利もあれもこれもどれもそれもとにかくなんでもぎゅうぎゅう詰めになっていて、タッキーやりたい放題だなぁとは思った。

 

なんにせよ、あのDVDで初めてSnow ManというジャニーズJr.の存在を知ったことは間違いない。

ダンスもアクロバットもすごくて、タッキーに認められて可愛がられている、きっとJr.の中で一番手のグループなんだな、と認識した。

この時点でメンバー個人個人に対してどうこうはまだなかったと思うけれど、パフォーマンスがすごくて舞台裏が可愛い、おまけに背が高い人が多くて低音イケボ揃いという自分のツボを突いてくるSnow Manはとても気になった。

 

しかし、ここではまだハマらなかった。というより踏みとどまった。

彼らがデビュー前のJr.だったからだ。

Jr.はどうなるかわからない。何も保障されていない。怖い。ハマりたくない。

 

(※余談2:大変に個人的な昔話だが、私のジャニーズ初推しは生田斗真くんだった。

90年代後半にそれはもう夢中になっていて、98年正月のJr.単独コンにも行った。

しかし、1999年に嵐がデビューした。それは私にとって、斗真くんが所属していたMAINというユニットのメンバーの、斗真くん以外がデビューしてしまった、斗真くんだけが置いていかれたということを意味していた。

私はMAINが、というか生田斗真松本潤のシンメが大好きだったので、当時ものすごくショックだった。

今となっては嵐は嵐、生田斗真生田斗真でよかったんだとわかるが、未来を知らなければ納得できるはずもない。

嵐がデビューしてからもしばらくは斗真くん、ひいてはJr.を追いかけていたけれど、だんだんつらくなって、一度ジャニーズ沼から出た。持っていたグッズ・Jr.名鑑・素顔VHS・各番組を撮りためたビデオ・雑誌の山など、すべてを処分して無理やり決別した。

そこから10年以上経って、キスマイのおかげでジャニーズ沼に戻ることになったものの、やはりあの出来事は完全にトラウマだった。)

 

興味と恐怖心では後者が勝ったので、深入りはよそうと自分を戒め、キスマイに専念しようと決意した。

 

 

この時の私は知らなかったのだ。

2016年にキスマイを追いかけるということは、Snow Manへの深入りを意味していることを。

 

奇しくもその年のキスマイのライブツアー、Snow Manがバックについていた。

キスマイを追っていると、メンバーが雑誌やラジオでたびたびSnow Manの話をするので、勝手に情報が入ってくる。

(※余談3:私がSnow Manのメンバーを「名字+くん」で呼ぶのは、この頃キスマイメンバーが名字呼び捨てで話していたのをさんざん聞いたからだと思う)

ただでさえ“好きな人から聞いた話”なんて好印象しかもたらさないのに、“自分が気になっている子たち”が“好きな人たちが可愛がっている子たち”であると知ることになり、もう完全に背中を押されている感じだった。

それでもまだ抵抗していたのだが、束の間の足搔きだった。

 

前述の2016年のキスマイのライブツアー『I Scream』の円盤が出たのだ。

そりゃまぁ買う。見る。

うっわSnow Man予想以上にめっちゃ出てる。

 

最初から最後まで大活躍。もう準主役レベル。衣装からして他のJr.とちょっと違う。

キスマイが移動や衣装替えでステージ上にいない時に素晴らしいパフォーマンスで場をつなぎ、フライングのフックを外し、スクリーマーズ(キスマイのマスコットキャラ)のぬいぐるみを操り、あべさくは宮っちのソロ曲・深澤くんはニカちゃんのソロ曲のコント部分で重要な役割をもらって専用のヘッドセットまでつけてしゃべり、全員が最初から最後までメンバーに絡まれまくり、エンディングで宮っちに紹介された時には「いつもお世話になってます!Snow Man!!」である。

(※余談4:ライブ本編以外にも、ドキュメンタリーにちょっと映り込んでいたり、MCで話題にされたり、ニカちゃんのバースデーを一緒に祝ったり、副音声でキスマイからべた褒めされていたりする。さらには4年後の2020年にYouTubeで公開された『Kis-My-Ft2 WEB FES』に合わせてFCで公開されたビジュアルコメンタリーでもめちゃめちゃ褒められている。出してあげようっていう先輩心が前提だけど、それをおいてもキスマイってSnow Man大好きだよね……。)

 

そして極めつけ。

Snow Manソロステージ、『ZIG ZAG LOVE』。

満員の東京ドームで、6人だけで、バックという遠慮を取り払って自分たちを思うさま見せつけていいオリジナル曲を披露するSnow Manは。

 

もーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーかっこよかった。

 

ダンスとアクロバットがすごいのは知っていたけど、より一層輝いていた。

自分たちの魅力を最大限生かせる岩本くんの振付だったのも大きいだろう。

しゃべり声の時点でイケボ揃いだなと思っていたけど、歌声がさらにいい。

おまけに曲がいい。

(※余談5:私は最初のオリジナル曲というのを差し引いてもZZLが曲として大好きです。)

この子たちはこれからもこういう曲をもらっていくのだろうか、それをこのイイ声で歌うのだろうか、歌いながらこのハイレベルのダンスとアクロバットを見せつけるのだろうか。

 

何それ見たい。超見たい。ずっと見たい。

 

 

 

こうして私は抵抗むなしく沼落ちした。

 

あれから5年、好きな気持ちは増すばかり。

心が折れる音がしてくじけそうになりかけた(©Kis-My-Ft2)ことも何度かあったけど、結局は離れられずに今日までファンでい続けている。

それはやっぱり、あの日の「ずっと見たい」という気持ちがどうしても消えないから。

 

が、“熱烈な”ファンかというと、それは違うと思う。

今も昔も、私は生活の主軸を趣味には置かない、優先しない人間なので(目黒くんの言う「駄菓子みたいな存在でありたい」はとてもしっくりきますありがとう)、その時々で無理のない範囲の時間と労力で追っている。

そしてなんなら来年あたり、その“無理のない範囲の時間と労力”も消えるかもしれない。

それは自分の人生レベルでの判断の結果なのでしょうがないんだけど、リアルタイムで追えないからと気持ちが冷めていってそのままフェードアウトしてしまうのは、蓄積された自分の思いがなかったことになってしまうのは嫌だなと思う。

 

なので先手を打つことにした。

少しでも時間のある今、この5年でどこをどう好きになったのか、どんな時にどう苦しかったのか、何を見てどう思ったのか、言うなれば“自分がどれだけ彼らに心を費やしたのか”を記録しておいたら、なかったことにはならない。

完全に自己満だけれど、少しずつ書いていけたらと思います。

 

 

次回予告:深澤担になるまで